福シネマ文化倶楽部#7「いのちの停車場」を観て 出羽秀輝 *ネタバレなし

「いのちの停車場」を観て
〜在宅医療によるエンド・オブ・ライフケアを考える〜

5月22日、福シネマ文化俱楽部 渡邊豊 支配人とユナイテッド・シネマ新潟にて「いのちの停車
場」を観てきました。

主人公の咲和子(吉永小百合)は救命救急医として勤務していた。

あることがきっかけで、自分の故郷である金沢に戻り、父親と暮らしながら「まほろば診療所」で、院長である仙川(西田敏行)、看護師の星野(広瀬すず)、と一緒に在宅医として働くことになる。
そして咲和子を慕い、まほろば診療所で勤務することになる医大卒だが医師免許のない野呂(松坂桃李)も加わり、4名での在宅医療チームとして患者とその家族に関わっていく。

今までは診察や治療、処置をして退院するまでを観てきた咲和子だったが、今度は退院してからの医療として在宅での医療と向き合うことになり戸惑いながらも成長していく。

この映画を観て在宅医療とは患者本人だけでなく、その家族や家庭環境、患者自身はどのようにして自分らしく生きていたいのか等を考えて、その想いを汲み取りながら医療者としてできること、人としてできることを実践していくことだと思った。

患者本人としては、自分に死期が近づいていると感じながら、病気と向き合って生活していく、そんな環境での自立とは何なのかを ICF の視点で考える。

健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、個人因子、環境因子の項目で、自分の個人的な原因は何なのか、その中で現在の環境はどうなのか、そのような現状でも自分らしく活動、参加したいことは何なのか、その願いを叶えるためにはどのような援助をしてもらえればいいのかと考えてみる。

それがたとえ寿命を縮めることになっても自分の願いが叶うのならケアするべきだと私は思う。

やり残して後悔して死ぬよりも、やり切って満足して生き切りたい。

価値観は人それぞれだけれど、私はそう思う。

自分の最期と決めた場所が「まほろば」(素晴らしいところ)であると感じていただけるように、私も対象者と関わっていきたい。

新潟福祉文化を考える会 社会福祉士・介護福祉士・准看護師 出羽 秀輝
(2021 年 6 月 1 日)

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